「ダイエット中はとにかく食べないで我慢」
「野菜だけ食べて運動していれば痩せるはず」
「糖質や脂質は制限するほど痩せると思う」
「たんぱく質は摂れば摂るほど体に良いはず」
こんな勘違いをしていませんか?
ダイエットでは、栄養バランスを整えることが肝心。
間違った食事制限のせいで栄養が偏ると、代謝に必要なエネルギーや筋肉量を維持できず、かえって太りやすく、締まりのない身体を作ってしまいます。
そこで意識したいのが、PFCバランスです。
キレイに、健康的に痩せるためのPFCバランスダイエットについて、マシンピラティス&パーソナルジム ASFiT(アスフィット)がご紹介します!
つらくないダイエットがしたい方、美容や健康も大事にしたい方は必見です!
PFCバランスとは三大栄養素の摂取バランスのこと
PFCバランスとは、食事で摂取する三大栄養素、つまり
- Protein(タンパク質)
- Fat(脂質)
- Carbohydrate(炭水化物)
の摂取バランスのことです。
P=たんぱく質
たんぱく質は筋肉や臓器、皮膚など、体のあらゆる組織を構成する主要な材料となる栄養素で、体の修復や成長に欠かせません。
また、酵素やホルモンの構成成分としても重要で、免疫機能の維持にも必要です。
筋肉を残して脂肪を落とすためにも、ダイエット中はたんぱく質の不足に気を付けることが重要です。
ちなみに、たんぱく質が不足すると無性に甘いものが食べたくなることも。
過剰摂取すると… | 不足すると… |
・腎臓や肝臓に負担がかかる ・腸内環境が悪化する ・消化不良を起こす etc… | ・筋肉量が減少 ・免疫力が低下 ・体力や集中力の低下 ・肌のシワ・たるみ ・髪のパサつき・枝毛・抜け毛 etc… |
F=脂質
脂質は効率の良いエネルギー源として体を動かす燃料となります。
細胞膜の構成やホルモンの生成にも関与し、脂溶性ビタミンの吸収を助けるなど、非常に重要な役割を担っています。
不足するとホルモンバランスが乱れて生理不順や無月経を引き起こしかねないため、女性は特に、過度な脂質制限には注意しなければなりません。
過剰摂取すると… | 不足すると… |
・肥満につながりやすい ・皮脂の過剰分泌による肌トラブル ・生活習慣病のリスクが増加 etc… | ・エネルギー不足による体力や集中力の低下 ・ホルモンバランスの崩れによる月経トラブル ・肌の乾燥や肌荒れ ・脂溶性ビタミンの吸収不良によるビタミン欠乏 etc… |
C=炭水化物
炭水化物は、「糖質」と「食物繊維」の2種類に分けられます。その主な役割は、体や脳のエネルギー源となることです。
特に、脳はブドウ糖を主なエネルギー源として利用しているため、炭水化物の摂取は脳の活動に大きく影響します。
不足すると、エネルギー不足を補うために筋肉を分解して減らしてしまいます。
過剰摂取すると… | 不足すると… |
・肥満につながりやすい ・免疫機能の低下 ・腸内環境の乱れ ・中性脂肪の増加や酸化ストレスによる老化・病気リスクの増加 etc… | ・筋肉量の減少 ・代謝の低下 ・便秘 ・疲労感・集中力の低下 ・イライラや落ち込み ・低血糖によるめまい・ふらつき・震えなどの諸症状 etc… |
なぜPFCバランスがダイエットに重要なのか?
ダイエットにおいてはカロリーを重視しがちですが、PFCバランスを考慮することで栄養バランスの偏りを防げます。
その重要性について、理由を解説していきましょう。
つらくないので続けやすい
食事を制限して空腹感に耐えるダイエットは、ストレスから継続が難しいですよね。
PFCバランスを意識して食事の栄養バランスを整えれば、そこまで摂取カロリーを減らさなくても、ゆっくり確実に痩せていくことができます。
健康的な食生活になり、食事後の満足感も持続するのでダイエットを続けやすくなります。
筋肉量を維持できることでリバウンド予防になる
たんぱく質や炭水化物が不足すると筋肉量が維持できず、基礎代謝が低下して太りやすい体質になってしまいます。さらに、筋肉が減ると体の締まりもなくなって、体重は軽いのに太って見えるという事態にも。
それを知らずに、制限してしまっている方も多いのではないでしょうか?
ほとんどが野菜の低カロリーな食事は一見ヘルシーですが、リバウンドの原因です。
PFCバランスを考慮することで、筋肉量を維持しながら脂肪を落とすダイエットが行えます。栄養の偏りが解消されれば、スムーズなダイエットやリバウンド予防になり、ボディメイクにも役立つでしょう。
美容と健康維持に役立つ
「ダイエットで頑張って食事制限をしたら、肌や髪がボロボロになってしまった!」
という方は少なくありません。健康でキレイになるために痩せるのに、これでは本末転倒ですよね。
PFCバランスを意識して食事管理をすれば、肌や髪、爪などの健康維持に必要な栄養素を十分に摂取できるようになるため、美容面への効果も期待できます。
栄養状態が改善することで体調も良くなり、仕事や家事などの活動におけるパフォーマンス向上にもつながるでしょう。
PFCバランスの目安を計算してみよう!
PFCバランスと言われても、どの栄養素を、1日にどれくらい摂取すればいいのでしょうか?
PFCバランスの計算方法を、具体例をもとに紹介していきましょう。
1日に必要な摂取エネルギーを知る
PFCバランスを計算する前に、まず1日に必要な摂取エネルギー量を把握する必要があります。
1日に必要な摂取エネルギー量=基礎代謝量×身体活動レベルの係数
まずは、「日本人の食事摂取基準(2020年度版)|厚生労働省」をもとに、基礎代謝量と身体活動レベルを確認していきましょう。
基礎代謝量の計算式
基礎代謝量の計算には、日本人向けとして妥当性が高いとされる国立健康・栄養研究所の式を紹介します。
- 【男性】
(0.0481×体重(kg)+0.0234×身長(cm)−0.0138×年齢(歳)−0.4235)×1000÷4.186 - 【女性】
(0.0481×体重(kg)+0.0234×身長(cm)−0.0138×年齢(歳)−0.9708)×1000÷4.186
なお、以下のサイトにて計算ツールを利用できますので、参考にするといいでしょう。
国立健康・栄養研究所の式を用いた基礎代謝量の推定|国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所ホームページ
身体活動レベル
日常の活動量に応じて、基礎代謝量に乗じる係数です。
身体活動レベル | 日常生活の内容 | 係数 |
低い(Ⅰ) | 生活の大部分が座位 で、静的な活動が中心の場合 | 1.50 |
ふつう(Ⅱ) | 座位中心の仕事だが、職場内での移動や立位での作業・接客等、通勤・買い物での歩行、家事、軽いスポーツ、のいずれかを含む場合 | 1.75 |
高い(Ⅲ) | 移動や立位の多い仕事への従事者、あるいは、ス ポーツ等余暇における活発な運動習慣を持っている場合 | 2.00 |
1日に必要な摂取エネルギーを計算する
前述したように、
1日に必要な摂取エネルギー量=基礎代謝量×身体活動レベルの係数
で計算できます。
例として、身長160cm、体重60kg、40歳女性の場合で計算してみましょう。
- 基礎代謝量=1220kcal
- 身体活動レベル=ふつう(係数:1.75)
なので、1日に必要な摂取エネルギー量の目安は、
2135kcal=1220kcal×1.75
となります。
摂取カロリーがこの数値を上回らなければ、計算上では痩せていくことになります。
もし、1ヶ月で1kgの脂肪を減らすとしたら、7200kcal消費する必要があります。
つまり、1ヶ月を30日とすると、1日あたりの摂取カロリーを240kcal減らせばいいということ。
例に挙げた40歳女性の場合、1日の摂取カロリーを1895kcalにすれば、理論上は1ヶ月で1kg痩せられるというわけです。
目標とするPFCバランスの割合
次に、1日のPFCバランスの割合目標を確認しましょう。
割合は、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年度版)」の「エネルギー産生栄養素バランス」で示している以下の基準を参考にします。
エネルギー産生栄養素バランス(18~49歳)
- P(タンパク質): 13~20%
- F(脂質):20~30%
- C(炭水化物):50~65%
トレーニングをしっかりする場合は、運動量や強度に応じてたんぱく質の割合を5%~10%程多めに調整しても良いでしょう。
各栄養素の必要量を計算する
PFCバランスの割合を決めたら、先ほど算出した1日に必要な摂取エネルギー量をもとに、各栄養素の必要量(グラム数)を計算します。
それぞれの栄養素の1gあたりのカロリーは、
- P:4kcal/g
- F:9kcal/g
- C:4kcal/g
です。
たとえば、1日のカロリー摂取の目安を1895kcal、PFCバランスをP:20%、F:20%、C:60%としたら、
たんぱく質(P)
- カロリー数:1895kcal×20%=379kcal
- グラム数:379kcal÷4kcal/g=94.75g≒約95g
脂質(F)
- カロリー数:1895kcal×20%=379kcal
- グラム数:379kcal÷9kcal/g=42.111…g≒約42g
炭水化物(C)
- カロリー数:1895kcal×60%=1137kcal
- グラム数:1137kcal÷4kcal/g=284.25g≒約284g
つまり、1日当たりの各栄養素の摂取目安は、
- たんぱく質:約95g
- 脂質:約42g
- 炭水化物:約284g
ということになります。
PFCバランスの管理におすすめのアプリ
PFCバランスの管理には、食事管理アプリの利用がおすすめです。
日々の食事内容を簡単に記録でき、PFCバランスを可視化できるので、反省やモチベーション維持にも役立ちますよ。
おすすめ無料アプリ
- カロミル
- あすけん
- FiNC
- OWN.(食事管理機能はお試し期間のみ無料)
PFCバランスを意識した食事のポイント
PFCバランスを意識するうえで心掛けたいポイントを押さえておきましょう。
- たんぱく質
動物性と植物性、どちらもバランス良く摂るように心がけましょう。どうしても食事だけでは不足しがちな場合、プロテインの活用がおすすめです。 - 脂質
脂肪燃焼をサポートする良質な脂質(オリーブオイル、アボカド、ナッツ類など)を積極的に摂り、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸の摂りすぎには注意しましょう。 - 炭水化物
白米やパンなどの精製された炭水化物を減らし、玄米や全粒粉パンなどの未精製のものも積極的に取り入れましょう。
食事の際は、ダイエット中であろうとなかろうと、特定の食べ物に偏らず、さまざまな食品をバランス良く摂ることが大切です。
身体に良いとされる食べ物でも、摂り過ぎには注意しましょう。
まとめ
PFCバランスとは、三大栄養素(たんぱく質・脂質・炭水化物)の摂取バランスのことです。
PFCバランスを意識したダイエットには、
- つらくないダイエットを続けやすい
- 筋肉量を維持しやすいのでリバウンド予防になる
- 美容と健康維持に役立つ
というメリットがあります。
食事管理アプリを活用するなどして栄養状態を整え、元気でキレイに痩せていきましょう!